- 投稿日
- 2025.05.13
21世紀の最初の年であることに因み、2001年の第73回から設けられたセンバツの21世紀枠。
文武両道や少数部員、施設面や自然災害などのハンデを乗り越えた高校が選出され、毎年センバツでの話題を呼んでいる。
その中で、負けたら終わりの夏の予選も勝ち上がり、春夏連続出場を果たせた高校は何校いるのか、その確率は何%になるのか。
21世紀枠の選考基準
開始は21世紀枠最初の年である2001年。
25年経った今年も2校が選出され、毎年注目を集めている。
選考基準は移り変わっており、選出校数も年によって変わる。
選考基準
年 | 秋季大会の参加校数 | 条件 |
---|---|---|
2001~2012年 | 128校を上回る都道府県 | ベスト16以上 |
128校以下の都道府県 | ベスト8以上 | |
2013年~ | 128校を上回る都道府県 | ベスト32以上 |
128校以下の都道府県 | ベスト16以上 |
選出校数
年 | 選出校数 |
---|---|
2001~2007年、 2024年~ |
2校 |
2008~2012年、 2014~2020年、 2022~2023年 |
3校 |
2013年、2021年 | 4校 |
各都道府県の推薦1校から各地区の代表9校に絞り込まれ、さらに枠数の高校だけが選出される。
基準は前出の勝ち上がり具合に加え、「技能だけではなく高校野球の模範的な姿を実践している学校」とされている。
春夏通じて初出場の高校や進学校、野球以外のボランティア活動などが決め手で選出された高校もあり、地元の期待を背負ってアルプススタンドを埋め尽くす、春の風物詩となっている。
21世紀枠の戦況
21世紀枠として出場したのは過去25年で68校。
成績は18勝65敗の勝率.216(2020年は3校選出されたが、コロナ禍で中止のため敗戦なし)。
2021年(第93回)の1回戦で具志川商(沖縄)が同じ21世紀枠の八戸西(青森)に8-3で勝利して以来、21世紀枠は13連敗中と苦しんでいる。
元々、各地区大会の下位や都道府県大会で敗退した高校が多く、地区大会上位の高校には苦戦を強いられている状況だ。
21世紀枠の最高成績
2001年(第73回) | 宜野座(沖縄) | ベスト4 |
---|---|---|
2009年(第81回) | 利府(宮城) | ベスト4 |
21世紀枠の最高成績はベスト4。
2009年の利府(宮城)を最後に遠ざかっているが、低反発の新基準バットが導入される以前から一般選考枠の高校との接戦が増えてきており、年々力の差は縮まってきていると考えられる。
21世紀枠の春夏連続出場
センバツ本戦はもとより、負けたら終わりの夏の大会はさらに高いハードルとなる。
過去24年間でセンバツ21世紀枠での出場からそのまま春夏連続出場を果たした高校は何校いるのか、その確率は何%になるのか。
春夏連続出場した21世紀枠の高校
年 | 高校 | センバツ(春) | 選手権(夏) |
---|---|---|---|
2001 | 宜野座(沖縄) | ベスト4 | 2回戦敗退 |
2010 | 山形中央(山形) | 1回戦敗退 | 2回戦敗退 |
なんと全68校のうち、春夏連続出場を果たしたのはこの2校のみ。確率にして2.9%。
2009年にベスト4に進出した利府(宮城)も夏は宮城大会の準決勝で東北高校に敗れ、春夏連続出場を果たすことはできなかった。
導入1回目の宜野座が春夏連続出場を果たしたため、チャンスがあるイメージが強いが、21世紀枠にとっての夏はこれだけの狭き門になっているのだ。
ただ今年(2025年)のセンバツでも壱岐(長崎)が近畿チャンピオンの東洋大姫路(兵庫)から2点を先制するなど、前出のように年々差は縮まってきており、新基準バットの導入によりさらに力は拮抗してきている。
この試合も全席指定席となった2021年(第93回)以降初めて満員になるなど、地元や高校野球ファンの21世紀枠にかける期待は強くなってきている。
7回制やDH制など、制度の見直しが議論される中、強豪校だけでなく異常な猛暑が敵となる過酷な夏の大会だが、模範となるチームと証明するための選手たちの最後の戦いに期待したい。