- 投稿日
- 2025.05.10
6月3日から始まるセ・パ交流戦。
2005年からスタートし、コロナで中止の2020年を除いて今年で20回目を迎える。
それまでの戦況が変わり、各リーグ戦復帰後の流れや優勝争いにも影響するとされてきた交流戦だが、果たして交流戦優勝チームがそのままリーグ優勝した確率は何%になるのか。
優勝回数1位はソフトバンク
まずは優勝回数を見てみたい。
交流戦 優勝回数ランキング
1位 | ソフトバンク | 8回 |
---|---|---|
2位 | 巨人 ヤクルト ロッテ オリックス |
2回 |
6位 | DeNA 日本ハム 楽天 |
1回 |
※2015~2018年は最高勝率チームが優勝に該当。本記事ではすべて優勝として表現。
1位はダントツの優勝8回を誇るソフトバンク。
工藤公康が監督の時に4回、秋山幸二で3回、王貞治で1回の優勝を誇り、2010年代を中心にソフトバンクが交流戦をリードしてきた。
では勝率はどうか。
交流戦 勝率ランキング
順位 | チーム名 | 勝利 | 敗戦 | 引分 | 勝率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ソフトバンク | 251 | 157 | 18 | .615 |
2 | ロッテ | 216 | 191 | 19 | .530 |
3 | 日本ハム | 218 | 196 | 12 | .526 |
4 | 巨人 | 215 | 198 | 13 | .520 |
5 | オリックス | 214 | 201 | 11 | .515 |
6 | 阪神 | 202 | 210 | 14 | .490 |
7 | 西武 | 203 | 212 | 11 | .489 |
8 | 中日 | 201 | 212 | 13 | .486 |
9 | 楽天 | 204 | 217 | 5 | .484 |
10 | ヤクルト | 201 | 215 | 10 | .483 |
11 | DeNA | 179 | 236 | 11 | .431 |
12 | 広島 | 176 | 235 | 15 | .428 |
過去19回各チーム426試合ずつを戦った結果、勝率もソフトバンクがダントツの1位。
貯金94の勝率.615で、ゲーム差に直すと2位のロッテに34.5差をつけるぶっちぎりの数字だ。
その他、楽天、ヤクルト、DeNAなど下位ながら優勝を経験しているチームもあるが、概ね優勝回数と比例する形で各チームが勝利を重ねているのが特徴とも言える。
交流戦優勝チームはリーグ戦でも優勝できるのか
ではその結果を見ていこう。
交流戦優勝チームのリーグ戦結果
年 | 交流戦優勝チーム | リーグ戦結果 |
---|---|---|
2024 | 楽天 | 4位 |
2023 | DeNA | 3位 |
2022 | ヤクルト | 優勝 |
2021 | オリックス | 優勝 |
2020 | 中止 | |
2019 | ソフトバンク | 2位 |
2018 | ヤクルト | 2位 |
2017 | ソフトバンク | 優勝 |
2016 | ソフトバンク | 2位 |
2015 | ソフトバンク | 優勝 |
2014 | 巨人 | 優勝 |
2013 | ソフトバンク | 4位 |
2012 | 巨人 | 優勝 |
2011 | ソフトバンク | 優勝 |
2010 | オリックス | 5位 |
2009 | ソフトバンク | 3位 |
2008 | ソフトバンク | 6位 |
2007 | 日本ハム | 優勝 |
2006 | ロッテ | 4位 |
2005 | ロッテ | 優勝 |
交流戦優勝からそのままリーグ優勝を果たした回数は、過去19回のうち9回。
確率にして47.4%と半分以下であり、リーグ優勝できない確率の方が高いと言える。
最多8回の交流戦優勝を誇るソフトバンクはこの20年で7回のリーグ優勝を果たしているが、交流戦優勝の年に限ると8回のうち3回にとどまり、交流戦を制したからと言ってリーグ優勝できる訳ではない法則はソフトバンクにも当てはまっている。
交流戦優勝がリーグ優勝につながらない要因
もちろんその年々で戦力図や戦況が影響するため、要因を固定できるものではないが、なぜリーグ優勝まで繋げるのが難しいのか傾向を考えてみたい。
1.交流戦の試合数の比重は少ない
話題になることが多い交流戦だが、試合数はわずか18試合。シーズン全体の約1/7にとどまる(過去最大36試合まであったが、それでも約2/7)。
あとの大半は同一リーグとの戦いであり、やはりここで勝ち切れなければリーグ優勝は難しいということである。
2.短期的な勢い・好調選手の影響
言ってもわずか18試合のため、一時的に投打がかみ合った「好調の波」で勝ち星を重ねた影響も考えられる。
シーズン全体では選手層やチーム自体の調整力が問われるため、一時的な勢いが長丁場のペナント制覇まで保てる訳ではないという可能性だ。
また、過度なピークが選手の疲労や故障リスクに繋がり、以降のリーグ戦に響いていることも考慮したい点である。
3.セ・パ間の力の差、“優勝しやすさ”の違い
過去大半がパ・リーグ勢の優勝であり、パ・リーグのチームが上位を占めることも多いことから、交流戦で勝ててもリーグ戦に戻ると苦戦するということも考えたい。
パの強豪がセに勝って交流戦で優勝しても、リーグ戦に戻るとパ・リーグ内での競争のため、リーグ優勝を逃すケースだ。
埋まりつつある戦力差 ファンを魅了する対決に期待
一時期は交流戦、日本シリーズともにパ・リーグ勢が優勝を独占する時期も続いたが、近年ではセ・リーグ勢の交流戦優勝、日本一も出てきており、その戦力差は埋まりつつあると考えたい。
メジャー進出の選手も多い中、150km/hを超える速球や豪快なホームランは依然12球団が持つ大きな魅力だ。
シーズン全体の約1/7とは言え、やはりこの期間の好不調がシーズン終盤に影響しており、注力すべき戦いであることは間違いないはず。
果たして今年の交流戦の優勝チームはどこか。そのチームはリーグ戦も制することができるのか。
普段見られない対決、3週間のドリームマッチが今年もファンを魅了することに期待したい。