- 投稿日
- 2025.05.14
セ・パ2リーグ制になってから75年。
リーグ優勝は巨人の9年連続や横浜の38年ぶりの他、各チームの栄光や悲願がそれぞれの時代を彩ってきた。
一部の新人やトレード、FA選手の入れ替えにより戦力強化はできるが、大半のメンバーは変わらず、大きく順位を上げることは至難の業。
2リーグ制以降、前年最下位から翌年リーグ優勝したチームは過去何チームあるのか、その確率は何%になるのか。
2リーグ制の歴史は75年
プロ野球の起源は1936年から。
その年は1リーグのみで春夏と秋の2期制でスタートし、春夏は順位を決めず、秋に大阪タイガース(現阪神)がプロ野球で初めての優勝に輝いた。
1リーグ制は1949年まで続き、チーム数が増えた1950年から2リーグ制がスタートした。
昨年の2024年までで実に75年の歴史を数えることになる。
それまで延べ150チームがリーグ優勝に輝き、75チームが日本一の栄冠を手にしてきた。
チーム別リーグ優勝回数
セ・リーグ | パ・リーグ | ||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | チーム名 | 回数 | 順位 | チーム名 | 回数 |
1 | 巨人 | 39 | 1 | 西武 | 23 |
2 | 広島 | 9 | 2 | ソフトバンク | 20 |
〃 | 中日 | 9 | 3 | オリックス | 15 |
〃 | ヤクルト | 9 | 4 | 日本ハム | 7 |
5 | 阪神 | 6 | 5 | ロッテ | 5 |
6 | DeNA | 2 | 6 | 近鉄 | 4 |
7 | 松竹 | 1 | 7 | 楽天 | 1 |
リーグ優勝は巨人が圧倒的に多く、39回。歴史が75年なので、半分以上は優勝ということになる。
パ・リーグは上位が拮抗しており、西武23回、ソフトバンク20回、オリックス15回。
近年、色々なチームが優勝することも増えてきているが、初~中期を引っ張った巨人、中期に台頭した西武がそれぞれのトップを守っている。
リーグ優勝チームの前年順位
セ・リーグ | パ・リーグ | ||
---|---|---|---|
前年 順位 |
回数 | 前年 順位 |
回数 |
1 | 27 | 1 | 30 |
2 | 17 | 2 | 19 |
3 | 13 | 3 | 13 |
4 | 11 | 4 | 7 |
5 | 1 | 5 | 3 |
6 | ? | 6 | ? |
前年順位が1位だったのはセが27回、パが30回。
つまりその回数だけ各チームが連続優勝をしたことになる。
各リーグともに6チームずつになるのは1958年以降だが、それまで最下位(7位か8位)になったチームはいずれも翌年に優勝することはできなかった。
計算を簡単にするため、現在と同じく3位以上をAクラスとした場合、セが77%、パが83%の確率で前年Aクラスのチームが優勝している。
やはり1年では大幅な戦力アップにも限界があるため、順位を大きく上げて優勝することは難しいということになる。
かなり難しい最下位からの下剋上
では1950年に2リーグ制になって以降、前年最下位から翌年リーグ優勝したチームは何チームあるのか。
前年最下位から翌年リーグ優勝したチーム
年 | リーグ | チーム名 | 前年順位 |
---|---|---|---|
1960年 | セ | 大洋(現DeNA) | 6 |
1975年 | セ | 広島 | 6 |
1976年 | セ | 巨人 | 6 |
2001年 | パ | 近鉄 | 6 |
2015年 | セ | ヤクルト | 6 |
2021年 | セ | ヤクルト | 6 |
2021年 | パ | オリックス | 6 |
正解はセが5チーム、パが2チーム。
この長い歴史でたったの7度しかない。1950年を除いた74年間延べ148回の優勝のうち7度のため、前年最下位から翌年リーグ優勝できた確率は4.7%ということになる。
単純計算だと1/6(約16%)の確率のため、いかに1年でチーム状況を変えることが難しいかわかる。
期間に差はあれど、達成する回数からしてもこの”下剋上”は創成期からのかなりの険しい道。
移り変われど、数年下位予想が続き、予想に遠くない戦いで下位に沈むチームがいるのも否定できない。
だが、一時期ほどの力の差はなくなってきている。
2021年には前年最下位同士の日本シリーズが実現し、2年連続で同じ顔合わせになるなど大いに盛り上がりを見せた。
現役ドラフトなどくすぶっている選手の活躍への道筋も作られ、戦力均衡への一要素にもなってきている。
資金力やドラフトの運、シーズン中の故障などによる戦力変動により、思うような戦いができないことも多いだろうが、プロの精鋭たちがしのぎを削り、あっと驚かせるような”下剋上”でファンを魅了してくれることも一興である。